
今日は、同僚のKさんの案内でダルエスサラームの魚市場に行ってきた。日本の普通の魚屋で見かける魚の種類は限られているので、こういう市場に来るとドシロートの私は、途方に暮れる。Kさんは魚の玄人なので、大変助けられる。
ダルエスサラームには、ダルエスサラーム湾の北にある旧市街の一番海寄りの突端にムズィズィマ魚市場(1)があり、北の郊外のムササーニ半島の付け根に小規模なムササーニ魚市場がある。今日行ったのは、ムズィズィマの方で、この市場は何と大統領官邸の裏手になる。東京で言えば、総理官邸の裏手の溜池あたりにある感じだ。
| (1) | このダルエスサラームの魚市場については、「バンダビーチ魚市場」とか「フェリー魚市場」とか、紹介本によって呼称が異なるが、グーグルの地図には「ムズィズィマ魚市場」と書かれており、ムズィズィマの名を使っているウェッブサイトも多いので、ここでは「ムズィズィマ魚市場」と呼ぶことにする。 |
ムズィズィマの市場は、年中無休だ。それに、船が入ってくると直ぐ仲買によるセリが行われ、隣接した市場で小売り商ないし一般消費者に売られるので、市場は一日中賑わうこととなる。
私たちは11時頃に市場に着いた。午前中の喧騒は一段落しているようだったが、それでも沢山の魚が売られている。魚の鮮度にうるさく、また魚となると財布のひもが緩む日本人がタンザニアとの国交が開かれて以来何十年もこの市場に通っているためか、市場の売手には自分の商品の日本名を知っている者も多い。また、日本人の魚の購入を手伝ってくれる仲買人も何人かいる。
今日は、そういったなかで一番有能と聞くアブドゥラさんにお願いして、魚選びを手伝ってもらった。こちらが欲しい魚の種類を日本語で言うと、その魚のある店に案内してくれ、売られている魚の良し悪しについてアドヴァイスしてくれる。そうやってあちこちを回って欲しい魚を仕入れた後、駐車場まで行って全部の料金をまとめて払う。手数料は、料金のなかに込みになっているので支払う必要はない。
自分で個別に交渉して値を決める方が安くなるだろうが、不自由なスワヒリ語を使っての交渉ではなかなか満足いく結果が得られないだろうことと、何百人といる売手の攻撃をうまくかわしつつ目指す魚を見つけ出すことが容易ではないことと、鮮度の高い良い魚を間違えなく手に入れることができることのメリットを勘案すると、アブドゥラさんにお願いすることは不可欠と思われる。
市場は入口から入ってすぐのところに大型魚、その右に甲殻類、奥に小型魚、左手の港に近い側に貝やイカタコの類が売られている。
大型魚のなかでは、サワラとかボラ、タイの類が多い。小型のキハダもある。他に、あまり見たことのない大型や丸型のアジの仲間も沢山いる。このページのトップの写真でアブドゥラさんが両手に抱えてポーズしているのは、一メートルは超えそうなロウニンアジだ。
カニで一般的なのはマングローブガニ。ただ、私はこれは好物ではなく、ワタリガニが欲しいのだが数が少ない。ようやく見つけたワタリガニは小型で、死んでしまっているものだったので、今日はカニは断念。
次に、イワシを探して屋根のないところにある店に行ってみる。イワシは、マイワシに近いものがあった。問題は、南洋の魚共通の欠陥なのだが、脂の乗りが悪く、言ってみれば大変スマートで、味にするとパサパサしたものが多いことだ。
イワシの横にソーダガツオがあったのだが、Kさんもアブドゥラさんも鮮度が悪いから買ってはダメと言う。残念。他日を期すことにする。(2)
| (2) | 午後3時過ぎにアブドゥラさんからAさんに、今カツオの水揚げがあったので来ないか、と連絡があった由だが、今日はもう買い過ぎてしまっていて、断念。 |
イワシの先に、干したサクラエビが売られていた。早朝はもっと山のように売られているようだが、この時間にも少し残っていた。見た目は、本当に、静岡のサクラエビにそっくりだ。更に、イカタコ部門の方に見学に行ったところ、鮮度の良いアオリイカがあったので一杯買うことにした。これが4000シリング(200円)。
これで今日の買い物は終えて帰ろうかと思ったが、この魚市場と道路を挟んだ反対側に、魚市場に来る人用の市場がある。築地で言えば場外市場のようなところだ。 そこで市場から買った小魚を油で素揚げするところがあるというので見に行った。素揚げの魚やイカタコはタンザニア人の好物で、
![]() 揚げ魚スナックの売り子 |
その場で売っているので、ホタルイカ程度の大きさのイカの素揚げを食べてみたが、なかなか美味い。これを肴にビールを飲みたい!と思う。大きな中華鍋に油を満たし、炭火のかまどで揚げる作業場は、かまどの真っ赤な火がゆらめくなか、炭と油と魚の煙が立ち込め、蒸せるような油の臭いが混じってとても豪快だ。タンザニアの豊かさとともに、人々の活力を感じさせる。