• ◎新着情報◎
  • ホームページ
  • このサイトについて
  • リンク
  • メッセージ・ボード
  • タンザニア製の革靴は如何
  • ジャクソン君の鉄工所
  • カリムジ・ファミリー
  • ダルの田舎で別荘生活
  • ダルを襲った豪雨と洪水
  • ファルコン・高級地元食堂
  • ボンゴヨ島
  • ココ・ビーチ
  • ダルエスサラーム港
  • マンゴー祭
  • 南洋の果樹園
  • 村落博物館
  • 魚市場
  • 歴史散策
  • どんなところ?
  • タンザニア人の見た日本
  • ダルエスサラーム
  • キリマンジャロと周辺
  • ザンジバル
  • 沿岸地域
  • 内陸地域
  • マンゴー祭


    カゴに入れられて到着したマンゴー

    マンゴーの苗

    1月の6日から8日にかけて、ダルエスサラームのムナジ・ムモジャ公園(翻訳すると「一本椰子公園」)でマンゴー祭が開催された。

    たまたま先月乗ったエミレーツ航空の機内誌に宣伝が出ていてマンゴー祭の開催を知ったのだが、その機内誌の記事などをもとに、タンザニアのマンゴー事情について簡単に説明してみよう。

    マンゴーの世界生産量は、約3490万トン(出典:FAO)。そのなかで、インドが世界生産量の4割近くを占めており、次いで中国、タイ、インドネシアといったアジアの国、更にはメキシコやパキスタンなどの中南米諸国、パキスタンなどが大生産国としてひしめいている。タンザニアは、54を数えるアフリカ諸国のなかでマンゴー生産ではナイジェリア、エジプト、ケニヤ、マダガスカルに次いで5番目の生産国で、年間37万2千トンを生産している。タンザニアの人たちもマンゴーが大好きで、夏の乾季が終わりマンゴーが熟す前に降る雨をマンゴー・レインと呼んで、その収穫を待ち遠しにしている。とは言え、そのタンザニアのマンゴー生産量は37万2千トンほどで、世界生産量の1%余りに過ぎない。

    あちこちの情報源を探ってみると、世界的に取引されているマンゴーのなかで品質的に最も評価されているのは、インド原産のアルフォンソだ。他方、量的に世界貿易の8割を占めているのは、トミー・アトキンス種になる。

    マンゴー・チャツネ
    一瓶3000シリング≒150円
    トミー・アトキンスは筋もあり味もまあまあとされるが、その病虫害に対する耐性と、生産性の良さで世界的に広く栽培されている。他に国際的に取引されている種類には、ケイトとかケントがあげられる。

    (1)Alphonso, Tommy Atkins, Keitt, Kent

    マンゴーはインドからインドシナ半島にかけての地域が原産地と言われており、そこでは数千年も前から栽培が始まっていた。そこからマラヤ方面にはインド人によって紀元前4、5世紀に伝播し、東アフリカにはペルシャ人によって10世紀頃までには持ち込まれたようだ。良くあげられる例として、イブン・バトゥータは、1331年に書かれた旅行記の中で、ソマリアの南部のモガデシュで饗応に預かった際、甘く熟したマンゴーやマンゴー・チャツネがあったことを記している。15世紀になると、ポルトガル人がインドを発見し、そこからマンゴーを南アメリカ、フィリピンや西アフリカに持って行った。現在、マンゴーはインドネシア系とインド系の二系に大別される。


    まだ客が余り来ないので、子供たちが店番をしている。

    サングラスをかけ、お供を数人従えて来たのは、インド人のおじさん。プロのディーラーらしい雰囲気を漂わせていた。

    タンザニアにも、他のアフリカ東岸と同様に10世紀頃までにはマンゴーがもたらされたと考えられている。現在は、大陸の海岸沿いとザンジバル島がマンゴー生産の中心だ。タンザニアのマンゴーの代表的な種類はドド、ボリボ、ンゴウェ、ヴィリンゲ、ムユニとボニョアで、この6種で生産量の95%に達する。タンザニアの農家にとって問題なのは、こういった種類は筋があったり長距離輸送に向かなかったりするため、輸出市場に人気がなく、どうしても地元で果物としてあるいはジュースとして消費されるしかないということだ。

    (2)Dodo, Bolibo, Ngowe, Viringe, Muyuni, Bonyoa。

    そこで、2001年にマンゴー農家組合(AMAGRO)が結成され、新種の導入など農家の利益の増進に努めることになった。現在では全国で15万本のマンゴーの木を持つ150の会員農家を擁しており、その活動の一つとしてマンゴー祭を主宰している。新種としては、例えば、アップル・マンゴー、トミー・アトキンス、ケント、ケイト、アルフォンソ、ジル、ホワイト・ソファ、ハーデンと言ったものがあげられる。タンザニアのマンゴーの収穫期は11月から3月なので、インドなどの主要生産国の収穫期が5月から9月になることを考えると、良い品質のマンゴーを生産すれば輸出に回せる可能性は大いにある。

    アップル・マンゴートミー・アトキンスンゴウェ


    たくさんのマンゴーが運び込まれている。

    このように調べてみると、マンゴー祭ではいつも食べているものよりも美味しいマンゴーにありつけそうなので、初日、祭りが始まった直後に昼休みを利用して現場に駆けつけてみた。

    駆けつけてみてちょっと意外だったのは、会員150農家を豪語していたのに、会場に行ってみると、実に閑散としていて、広い公園の中は、一方で殆ど客のいないままに開会式が行われており、もう片方のほうには10軒ほどテント店が出ているだけで、その前に集まっている客もちらほらというくらいだった。午後になったら出店も増えるか、と思いつつ、とりあえずあちこちの店で10余りのマンゴーを買ってみる。アップル・マンゴー、パルマ、ホワイト・ソファ、ジュリー、ジル、ケント、ケイト、トミー・アトキンス、セビニ、アルフォンソと言った新種に交じって、ンゴウェ、ボリボ、ムユニといった伝統品種も展示されている。何軒かの農家は、苗木も売っていて、こちらはかなり人気が高い。マンゴーは一個500シリング(約25円)、苗木は一本3500シリング(約180円)で売られていた。

    (3)Apple mango, Palmer, White sofa, Julie, Zill, Kent, Keitt, Tommy Atkins, Sebini, Alphonso, Ugowe, Boribo, Muyuni

    客の中には、我々のような素人もいないわけではないが、鋭い目をして部下を伴った仲買人のような人とか、自分のところでマンゴーを育ててみたいと思っている農家とか、プロがかなりいるのではないかと思えた。プロ相手に農機販売とかマンゴー栽培コンサルタントなどの店も出ていた。


    そろそろお客さんがやってきて、応対が忙しくなる
    植えて5日目のアルフォンソの苗
    狸の皮算用のように、早く実をつけてくれるか??

    家に帰って、熟したものを良く冷やしてから食べてみたところ、普通にマーケットで買って来るものよりもはるかに美味しい。熟しているかどうかという個別の条件もあるので、どの種類が美味しいかという点について客観的な判断は難しいのだが、やはり、組合に所属しマンゴー祭に参加しようと言う意欲的な農家の商品なので質が良いのではないかと思う。

    意外と従来種ンゴウェのアフリカ的に濃厚な甘みが美味しかった。それほど筋が気になるとは思わない。アップル・マンゴーは軽くて上品な味わいだ。日本のマンゴー作付けの殆どがアップル・マンゴーというのも、どことなく納得がいく。数少ないアルフォンソも手に入れて、世界最高と言われている味を試してみたが、これは、かなり変わった香りと風味がした。ちょっと熟成度が足りないのが残念だったが、やはり評判が良いだけのことはある。他方、平均的と言われちょっと馬鹿にされているトミー・アトキンスも、良く熟れていたせいかとても美味しかった。

    結局、初日の午後にもう一度、二日目にもう一度と計3回マンゴー祭に行って、30個を超えるマンゴーを買った。また、アップル・マンゴーとアルフォンソの苗木も買って、家の庭に植えた。タンザニアで普通に見るマンゴーの木は樹高が20mにも30mにもなって、とても我が家の狭い庭に植えられるような代物ではないが、アップル・マンゴーやアルフォンソはせいぜい普通のリンゴの木程度で樹高4、5mだそうなので、大丈夫だと思う。早ければ4、5年で実がなると言う。苗木が二年生なので、うまく行くと私がタンザニアにいる間に自家製のマンゴーを楽しめるかもしれない。