ザンジバル
更に、インドの文化が色濃く刻印を残しているし、遥か遠くインドネシアや中国からの流れもある。そう聞いただけで、それらが溶け合ったカクテルの魅惑に震えを感じてしまう。アポリネールが「シュールレアリスティック」と銘打った芝居「ティレジアスの乳房」の舞台をザンジバルに置いたのも、当然だろう。
ザンジバルという名前は、それだけで、何かとてもエキゾチックで夢のような響きを持っている。ありえないことを現出させてしまう、トロピカルな空気と海で満たされた世界だ。アフリカの岸辺から目と鼻の先にあるのに、単なるアフリカではない。そこには古代イランに始まって、ハドラマウトやオマーンのアラブの世界が押し寄せて来た。