


ファルコン(Falcon)は、カリアコ地区のはずれにある食堂だ。都心からMorogoro Rdを進み、カリアコの一歩手前でLumunba Stに左折して直ぐの左側にある。門を入ると左右にテラスが広がり、ペプシコーラのロゴ入りの日傘が立ち、テーブルが置かれている。なかなか清々とした感じなので、テラスの木陰の席に落ち着くことにする。
建物の方は、入り口を入ると左側にキッチンがあり、右側は客席になっている。室内外あわせてテーブルは40くらいあるだろうか。結構大きな食堂だ。門を入った右には各種の新聞が置かれていて、その横にファルコンの由来書きが銅板に記されている。それには「ファルコン・レストラン=ケータリング・サービスは、2003年8月11日に、革命党(CCM)幹事長フィリップ・マングラ氏によって、正式にオープンした」とあるので、この食堂は、道をはさんで反対側に党本部を持つ政府与党CCMの直営店かもしれない。いずれにせよ、なかなか由緒正しいものであることは確かと思われる。

各テーブルには90種類近くの料理が書かれたメニューが置かれてあり、ウェイターもしゃっきりとして英語も良くできる。品書きの値段を見ても、地元料理店としては最高級レベルに属すると思われる。周りを見てみると殆どがアフリカ系の人たちだが、服装や立ち居振る舞いを見ると、かなり上層の人たちが来ていると思われる。大半はCCMの幹部関係者なのだろうか?

タンザニアの地元系の食堂の良いところは、注文してから料理が出て来るまで、日本並みに速いということだ。ランチで言えば、通常みんなが食べる炭水化物(米、ウガリあるいはフレンチフライ)とタンパク質(魚、鶏肉、牛肉)それにインド系のブリアーニが、調理済みで保温され出番を待っているようで、ウェイターが注文をとって台所に行くと、殆どその足で料理を持って来てくれる。
今日二人で行って注文したのは、チキン・ブリアーニとピリピリ・チキンのライス付き。期待通りブリアーニは、速攻で出てきたが、ピリピリ・チキンは注文生産らしく、5分程かかって出てきた。それでも速い。タンザニア料理は、それなりに美味しいけれど味にパンチがない、とほざいていた連れ合いが、一口食べたとたんに口から火が噴いたようで、汗はだらだら、辛みのもとと思われる何種類かのピーマン様の野菜を選り分けて慎重に食べる運びとなった。私も試食してみたが、インド料理の辛さとも、タイ料理の辛さとも違って、何かこう、塩味と酸味と激辛がトマト・豆風味のスープの中で渾然一体となっている、新鮮な味わいだった。

日本人はご飯の味に大いにこだわるのだが、タンザニアのお米は美味しいと思う。このランチでは、ブリアーニに使われた米はインディカのような長粒種、普通のご飯の方は多少長めだが長粒というほどではなかった。ともかく、どちらも、味が美味しいだけでなく、しっかりとしたアル・デンテ風の歯応えがあり、強い味の料理といっしょに食べると大変引き立つ。

飲み物は、タンザニアに来てから、食事時には無性にコーラが飲みたくなり、この日は「ペプシ」コーラを注文。食後に濃厚なミルクティを飲んで、二人で1万3400シリング、日本円で700円くらいだった。
地元料理店としては、大変高級だ。しかし、味はしっかりしているし、このくらい清潔感のある食堂だと、日本からポッと出て来た観光客を案内できる許容範囲にあると思う。
日本と比べてタンザニアを誉めてあげたいのは、食堂にはかならず手洗い用の流しがあり、清潔な水が使え石鹸が置かれていることだ。タンザニアの人たちは、必ず食前食後に手を丁寧に洗う。屋外で食べるような食堂でも水でなくて、かなり熱いお湯が出て来るところもある。指で食べる習慣があるので清潔にすることが必要なのだろうが、普段日本では食前食後に手を洗うなどということは全くしない私としては、良い習慣は見習おうと思っている。